今年も暑い夏がやってきました。少し長文ですが、今月の新潟市歯科医師会のコラム当番だったので、
そこへ投稿したコラムをこちらへも載せさせて頂きました
ここ数年、ますます健康志向が高まっているようにかんじます。
その中でも、特に『健康と食』については、一番身近であり、一番気になる部分だと思います。健康のために特別なものを食するということより、日々の食に気をつかい、そこへ目を向けて楽しんでいるように思います。
そこで、今回コラムを担当させていただくにあたり、『新潟の夏のごちそう!』のひとつのa『枝豆』を健康の観点から見て調べてみました。
それでは、まず、枝豆に含まれる代表的な栄養素と効果・効能を紹介します。
まず、なんと言っても、 タンパク質 「畑の肉」と呼ばれる大豆と同様、枝豆も良質なタンパク質をたっぷりと含んでいます。筋肉・骨などの体づくりや、体内のホルモン・酵素などの生成を担うタンパク質は、人体に欠かすことのできない重要な栄養素です。枝豆に含まれる植物性タンパク質の特徴は、肉や魚などの動物性タンパク質に比べて脂肪が少ないこと。高タンパクなのにヘルシーであることから、筋トレの効果を引き出す食材としても注目されています。
そして、 イソフラボン イソフラボンは、枝豆の胚芽部分に多く含まれているポリフェノールの一種です。体内で女性ホルモンに似た働きをして肌のハリ・ツヤを保ったり、しわやたるみを改善したりする美肌効果を発揮してくれます。ホルモンバランスの乱れによる女性の心身の不調や、更年期障害の症状を和らげる効果も有名です。
メチオニン 肝臓の機能を司るアミノ酸・メチオニンも、枝豆の特徴的な栄養素です。
枝豆は、野菜類の中でダントツのメチオニン含有量を誇ります。肝臓でアルコールが分解されるときに欠かせない成分で、二日酔い対策の薬に含まれていることもあります。
ビールと枝豆の定番コンビは、アルコール分解の観点からも理にかなった組み合わせです。
ビタミンB1などのビタミン類 枝豆に含まれるビタミン類で代表的なのは、ビタミンB1・B2。体内で糖質や脂質を分解してエネルギーをつくり出すので、疲労回復や夏バテ防止に役立つことで知られています。枝豆はビタミンCも豊富に含んでいて、免疫力アップにも効果的です。これらのビタミン類は、メチオニンとともにアルコールの分解を助ける役割も果たしています。
カリウム 枝豆に含まれているカリウムは、細胞内液の浸透圧を調節するミネラルです。余計なナトリウム(塩分)を体外に排出するので、血圧を下げて高血圧を予防する効果があります。むくみの解消や、筋肉の収縮を正常に保つのにも有効な成分です。
枝豆と大豆に含まれる栄養素の違い 野菜類に分類される枝豆と、豆類に分類される大豆の栄養素を比較してみると、両者の間にははっきりとした違いがあります。
それは、枝豆が野菜類に特徴的なビタミンCやβカロテン、葉酸などの栄養素を含んでいること。これらは、大豆にはほとんど含まれていない成分です。
一方、豆類に特徴的なタンパク質やイソフラボン、メチオニンなどを豊富に含んでいることは、枝豆と大豆の共通点でもあります。
枝豆は、豆類と野菜類両方の栄養的特徴をあわせ持った、いいとこどりの食材です。
今年は、健康も意識しながら、夏のごちそうを楽しみたいです。
長文、ご拝読ありがとうございました。
院長 田中